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Fitness&Freshnessとは?
STRAVAのサブスクリプション機能のひとつであるFitness&Freshness。
初めてSTRAVAを使う人はもちろんのこと、無料プランから課金したことにより晴れてサブスクリプション化した方々にとっては、まさに未知の機能であると言えます。
そのそもこのFitness&Freshnessとは一体どういった機能なのでしょうか?
今回の記事ではSTRAVAのFitness&Freshnessについて説明してみたいと思います。
すべてはレースで勝つために
Fitness&Freshnessは、レースで勝つための体を無理なく造っていくためのツールです。
もっとわかりやすく言うと、あなたをレースで勝たせるためのバーチャルトレーナーそのものです。
利用するにはストラバのサブスクリプション課金が必要です。
年間契約で6,300円、年契約の場合の月間あたり料金は525円です。
リーダーボード機能など、今まで無料で使えていた部分までサブスク化しなければ使用出来なくなったので多少の割高感は否めませんが、課金するだけの価値が十分に備わっていると管理人は考えています。
STRAVAはiOSとAndroidOS用のアプリケーションではありますが、Web(ブラウザ)からもログインが出来ます。
むしろ、Webを介して使わないとFitness&Freshnessの全機能を駆使することは出来ません。
Fitness&Freshnessを使いこなすにはPC/Macも準備しましょう。
我々サイクリスト個人がレースに向けてトレーニングをする際の問題点として、レースまでにあとどの程度走り込んだら良いのか?、どのくらいの強度でトレーニングを重ねて行けば良いのか?どの程度レスト(休息)すれば良いのか?など、疑問に疑問が重ってなかなかトレーニングを進められないものです。
たとえそれが表彰台を狙いにいくためのガチのレース参戦ではなく、自分との戦いで己を奮い立たせるための、いわゆる ”にわかエントリー” だったとしてもです。
管理人はいつもこれ.....笑。
決して安くはないであろうエントリー料を払うのです。
出来ることなら最善を尽くしたいじゃないですか!。
となれば練習するしかないじゃないですか!。
でも、どんな練習を、どの程度の強度で練習すれば良いかが分からないから迷うんですよ!!。
Fitness&Freshnessはそんな人のためのツールです。
STRAVAだからこそ出来る荒技
表彰台上位を狙うガチ勢の方々はパワーメーターを使用してトレーニングデータを蓄積し、ゴールデンチーターやTraining Peaks WKO+、またはElevate For Stravaなどの使って、トレーニングの内容をもっとシビアに調整しながら体を造りあげていきます。
がしかし、それにはパワーメーターが付いたロードバイクでトレーニングしなければならないという成約があります。
でもご安心くださいね。
STRAVAのFitness&Freshnessは、パワーメーターが付いていないロードバイクであっても、心拍計を付けてライドさえしていれば心拍計のデータをもとに体に掛かるストレスを算出してくれるので、これらを可能にしてくれるのです。
つまりパワーメーターを持たずとも、パワートレーニングの擬似的体験が出来るようになるというわけです。
ただ、Fitness&Freshnessを使うには皆さんご承知のとおり サブスク課金 しなければなりません。
パワメ購入に金を掛けるべきか?、STRAVAへサブスク課金すべきか?は悩むべきところではあるとは思いますが、まずはSTRAVAでサブスク課金をおすすめします。
ステマじゃないですよ...しかも、皆さんがSTRAVAに課金しても管理人はなんの恩恵もありません笑。
ただ、最初に付け加えておきますが、パワーメーターを付けただけでは決して速くはなりません。
パワメで得たデータを活かしたトレーニング計画を立てて効率よく練習しなければ速くはならないのです。
パワトレは集積したデータから自分の弱い部分を知り、弱点を克服して強く(速く)なるためのトレーニング方法です。
なので、急いでパワメを購入する必要はありません。
年間6,300円の投資によってパワートレーニングの基礎的な考え方とトレーニング管理が出来るようになります。
というわけで、Ftness&Freshnessを使えば、現在の体の仕上がり具合、疲労度合い、コンディションがすべてわかるようになります。
もちろん、パワーメーターがあればさらに細かいデータ管理が出来るようにもなりますが、ここではパワメ無しということで話を進めます。
Fitness&Freshness用語集
Fitness&Freshnessを行っていく上で必要な難解用語をまとめてみました。
以前、同ブログでSTRAVA用の用語集を書いてはいますが、このページで完結出来るようにまとめ直します。
まずは、相対的エフォート、Fitness、疲労、フォームについて。
相対的エフォート
下の画像の赤枠で括った部分の数字が相対的エフォートになります。
相対的エフォートは心拍計で得られたワークアウト中のデータを基に、アスリートの最大心拍数からその運動強度の度合を追跡し、アクティビティーそのものがどの程度の強度だったのかを数値で示します。
ライド後の疲労感そのものが数字となると思っても間違いではありませんが、実際には数字が大きければ大きいほど運動強度も大きかったことになります。
相対的エフォートは、パワーメーターが無くても心拍計とそれに見合ったサイクルコンピューターがあれば計測が可能です。
速くなりたいのなら最低限心拍計は買いましょう。
但し、この相対的エフォートはSTRAVA独自の規格であり、パワートレーニングで言うところのTSS(トレーニングストレススコア)とは全くの別物です。
STRAVA独自の運動強度の目安と認識しましょう。
Fitness(フィットネス)
では今回記事の目玉、STRAVAサブスクリプションのメインメニューでもあるFitnessを開いてみましょう。
下記のキャプチャ画像はPC用ウェブサイトです。
ログインしたらSTRAVA WebのトレーニングタブからFitness&Freshnessを選択します。
Fitness&Freshnessが開きました。
基本的な使い方については後述しますが、まずはその言葉の意味を理解しましょう。
Fitnessはトレーニングの積み重ねの数値です。
自身の現在の体力そのものと解釈しましょう。
上のグラフは左が過去、右が現在(未来)です。
グラフ右側に黒い点があり35と数字が表示されていますが、ここが現在(当日)のスコアです。
黒い点からさらに右側は未来になり、以降のフラフが点線表記になっていますが、これはなにもトレーニングをしなかった場合のスコアの落ち具合を表しています。
そして、トレーニングをサボってしまえば以降限りなく0に近くなっていきます。
ではこのフィットネス、最終的にレース日までどの程度上げれば良いのでしょうか?。
海外のプロの選手ではシーズン中150以上、時に180を超える場合もあるそうですが、アマチュアサイクリストがレースで上位入賞を目指すは、このフィットネススコアを”100”にするとが推奨されています。
(但し、ライバル勢が100以上のスコアを積み上げていると仮定すればそれ以上のスコアが必要)。
と簡単に言っていますが、実はこのFitnessを100に近づけるのがどれほど大変か、実際に目標を立ててトレーニングを始めてみればよ~く分かります。
個人差や強度の違いはあれど、例えば一日約50kmを2時間、獲得500mUPで走るライドだとスコアは3程度上がり、翌日朝には1下がります。
3上昇して翌日1減少するので、上記の毎日練習したとしてもスコアはたったの2しか上がらない事になります。
これを限りなく毎日繰り返すことで、少しづつフィットネススコアを伸ばしていきます。
なので、これをほぼ2ヶ月間休まず毎日行わないと100には到達しません。でも基本2ヶ月でスコア100UPなんで絶対に無理です。
しかも、100に近づくにつれて体が慣れてしまい、運動強度をさらに上げていかないとスコアが伸びなくなっていくのだそうです。
その前に、短期間にスコアを上げようと毎日高強度の練習をしても、結局は回復が追いつかず頭打ちになるか、最悪の場合怪我をしてしまいます。
因みに貧脚の管理人はフィットネススコアのシーズンベストは60程度が限界で、それ以上はまさに未知の世界です。
1レースまでにトレーニング計画を立ててフィットネススコア100に達していないと練習不足と認識すべきなんだそうです。
しかしながら、実際問題として仕事もあることを考えれば毎日走るなんて無理ですよね。
但し、フィットネスの積み上げはロードバイクに固執することなくランやスイミングでも可能です。
もちろん、心拍の計測は必須です。
スコアに拘るあまり無理なトレーニングをしてしまうと怪我のリスクがつきまといますし、日常生活や仕事にも支障を来します(経験あり)。
パワトレでは、このFitnessスコアの積み上げについて、1週間で7スコアつづ積み上げていくのが無理のない順調な積み上げとなるのだそうです。
もちろん、STRAVAのFitness&Freshnessも同様です。
ということは順当にスコアを上げていったとすると、最短で14週間(約5ヶ月後)後に100を達成するということになります(先述の通り後半は上がりづらくなります)。
疲労
読んで字の如し、体の疲労を数値化したものです。
トレーニングを積み上げてフィットネススコアがあがるのと同時に疲労も蓄積していきます。
①のボタンをクリックすると疲労のグラフが現れます。
黒い太線がフィットネススコアの線になりますが、アクティビティーを重ねれば重ねるほど疲労も蓄積していくのがわかります。
フィットネススコアが50以下の場合は体力がまだ備わっていないことになるので、この状態で一日に100kmのロングライドなどのこう強度トレーニングを行うと、疲労が一気に100を超えることもあります。
レース前までには出来る限り疲労を回復させることも重要ですが、普段のトレーニングにおいてはフィットネスが上がれば疲労も伴うのでフィットネスとのバランスを見ながら疲労を抜いていくことも大切です。
しかし、長期間に渡って疲労スコアがフィットネススコアを上回る状態は非常に危険とのことなので、身体的にしんどい場合はトレーニングに休息日を設けるなどして疲労を抜くことも検討しましょう。
フィットネスが上がっていけば疲れにくくもなり、またトレーニング後の疲労回復も早くなります。
これはフィットネス自体が体力を意味しているので、体力が50の場合と体力が100の場合では後者のほうが体力に余裕があることからも想像がつくと思います。
だとすると、ちょっとやそっとのトレーニングでは疲れにくい体を手に入れることができるというもの。
やはり、フィットネスの積み上げっていうのが基礎になるということなんです。
フォーム
フィットネスから疲労を引いたスコアがフォームです。
コンディション(体調)を意味します。
フォームがプラスであればあるほど絶好調、フォームがマイナスであればあるほど絶不調です。
個人的見解では、フォームが-40を超えるとかなりの倦怠感に襲われます。
下記の画像ではフィットネスが34、疲労が50ですので
50-34=16
今時点でのフォームは-16ということになります。
上記の状態ではフォームがマイナスではあるものの限りなく正数の0に近いので回復傾向にあることを示しています。
というのも上記のグラフは3日間ほどトレーニングを休んだ直後のデータです。
それ以前に立て続けにトレーニングを重ねてしまい、フォームがマイナス50を超えてしまいました(下記画像)。
赤矢印の右下の枠内、フィットネスが37であるのに対しフォームが-52であることが分かります。
フォームがマイナス50を超えると日常生活にも支障を来します。
仕事中も常に倦怠感、手が空けばボーッとしてしまい眠気が襲ってきます。
歩いて移動中はとにかく体がダルい。
もうホント仕事にならないのでこれはまずいな....ということで3日間休養することにしました。
そもそもそうなった経緯は、フィットネスが30程度であるのにも関わらず、毎日無理なトレーニングを積んだために疲労回復が追いつかずにフォームのマイナスが日に日に増加していった結果です。
フィットネスは上げたい、でも疲労も同時に溜まる。
回復しきらないうちに次のトレーニングでさらに疲労をためる。
その結果がフォーム-50です。
理想のトレーニングとは
上記フォームマイナスの解決策としては、先述のフィットネスの説明でも記しましたが、1週間あたり7づつフィットネスを上げていくという目安を遵守すること。
フィットネスが50を超えるまではあまりトレーニングで追い込みすぎないことなどが挙げられると思います。
簡単に言うと、
体力もないうちからオーバートレーニングしても体が追いつかないよ!
ということです。
なので、シーズン始めはフィットネススコアが上がってくるまでは特に慎重に低強度のトレーニングを重ねていくことが大切です。
5月にレースがあるのだったら、年明けの1月からローラートレーニング等で体を慣らしながら徐々にスコアを伸ばしましょう。
こうして考えると、2ヶ月でフィットネスの数値を100に上げるということがどれほど無謀で危険なことかが分かるかと思います。
レース前日の理想スコア
ではレース日までに書くスコアをどの程度に調整していけば良いのでしょうか?
フィットネスは100
疲労は+10~-10
フォームは0~+5
が理想だそうです。
上記のスコアになるようにレース前2週間あたりからトレーニング量とレストのシビアな調整が必要になります。
レース前日まで強度を落とさずに過度なトレーニングをしていてはフィットネスは上がるかも知れませんが疲労とフォームはマイナスのままです。
せっかく体力を100にしたのに疲労が残っている状態でレースにでても、結果は目に見えているでしょう。
なのでトレーニング計画が必要になります。
レースまでのトレーニング計画を立てるには、TSBシュミレーターという無料のツールを使用すればとても分かりやすいです。
これについてはまた次回説明したいと思います。
まとめ
STRAVAのFitness&Freshnessについてご紹介しました。
今回の執筆にあたり、書籍としてパワー・トレーニング・バイブル、また、じてトレさん、アフログさんのウェブサイトを参考にさせて頂きました。
フィットネスを上げることの難しさ、そして疲労とフォームの調整の難しさがおわかり頂けたと思います。
しかし、基本的な考え方が分かれば、あとはトレーニングあるのみです。
レース日を見据えて無理なくフィットネスを100に近づける、もしくは100を超えられるようになれば表彰台がグッと近づきますよ!。
これでトレーニングが成功すれば、年間6,300円は決して高くないです。
最終的はストラバの課金を辞めてそのお金でパワーメーターを購入し、 Elevate for Strava や ゴールデンチーター などでログ管理が出来るようになれば、サブスク課金せずともパワートレーニングが出来るようになるのです。
STRAVAのサブスクはそれまでの間にパワトレの基礎をソフトに実践できるという意味では、まさに初心者のトレーニングにも向いていると思います。
特に
- チームにも所属してない
- 周りにロードバイクに乗っている友達も居ない
- 一人でも黙々と練習するのが好き
- 誰にもトレーニングを教えてもらえない
- でもレースで上位入賞したい
と考えている人にはピッタリのツールであると思います。
Elevate for Stravaなどの使い方も近々書きたいと思います。
それでは。