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Wiggle と Cheain Riaction Cycles
ロードバイクなどの海外通販はイギリスに本社を置く wiggle(ウィグル) と、さらにもう一つ、Chain Reaction Cycles(チェインリアクションサイクル:以下CRC) の二大勢力が有名なところです。
もともとはライバル関係であって世界のサイクルパーツ市場の通販部門の勢力シェアをしていた二者、その軍配はWiggleに上がり、2016年6月に両者は合併しWiggleCRCとなりました。
日本在住の身としてはその便利さや納期の早さからついAmazonとか楽天ばかり使ってしまいがちですが、まぁお金の掛かるサイクリストからすると国内通販大手はお値段があまり可愛くないのが痛いところです。
Wiggleはもともとdhbというサイクルウェアなどを販売するオリジナルブランドをもっていました。一方のCRCはPrimeという軽量ホイールのオリジナルブランドを持っています。両者が合併することで、かつてはそれぞれの武器であったdhbとPrimeを双方のウェブ・サイトで販売する事が出来るようになりました。合併によりお互い持ち合わせて居なかったカテゴリーの商品をラインナップに加える事が出来るようになったので、品揃えという面ではお互いにメリットがあったと言って良いのではないでしょうか?。
今日はそんな両者のウェブ・サイトで扱っている Prime というホイールの話です。
Prime PR-50SE
先述の通り、PrimeのホイールはもともとはCRCのお家芸でありました。
軽量なのに高品質である事で有名です。CRCやWiggleのウェブサイトでのレビューを見ても、とても高評価が多いです。
中でも注目して欲しいのがPrime PR-50SEというモデル。
軽量カーボンクリチャーホイールです。
特筆すべきはその値段の安さ。
通常、カーボンクリンチャーホイールは前後セットで15万~20万が相場です。
PR-50SEの上記の写真ではハッチンソン FUSION 5 と LifeLine インナーチューブ 700×18-25Cがセットになってお値段は驚愕の6万円を切っています。
なぜここまで安く出来るのでしょうか!?。私にはその理由は解明出来ませんでしたが、あまりにも安すぎます。
この商品セットは11月のブラックフライデーからセールを展開していて、現在ではXmasセールで約40%OFFの値段で売られています。
カーボンの素材はT700 UD なので決して粗悪カーボンではありません。ロードバイクのフレームにも使用される強度のカーボンですのでホイールの強度としても全く遜色ないですね。
お値段からすると中華製カーボンなのか?と思いきや、ウェブサイト上にはMade in情報の記載はなく、実際にPrimeを購入したという方のレビュー記事も拝見しましたが、仕様書にも記載は無かったとの事。
もし仮に中華製カーボンだったとしても、その値段からは想像も出来ない程のレビューの高さには驚きです。
2018年12月18日時点でのWiggleとCRCのウェブサイト上でのレビュを見てみると、Wiggleはレビュ数が11で満点5に対し平均4.7のレビュー、一方の大元であるCRCのウェブサイトレビューは満点5に対し4.5と決して悪くないレビューなのです。
製造国は分からないにしても実際にはCRCにとってCRCは自社ブランドであり自社商品であるので、他社から仕入れて販売するのとは違いコストの面ではかなり優位に立ちます。となると、ひしめきあう競合の軽量ホイール勢と比べた場合、自社で企画開発しどこかの国のどこかの工場で生産されたとしても自社商品であり自社で販売できるCRCという窓口を持っているので、この低価格が実現出来るのかな?と個人的には思っています。
やすかろう悪かろうの粗悪なホイールで無い事はレビューが全てを物語っています。
レビューの一例
もともとはPrimeの本家でもあるCRCでは日本語のレビューがありませんでしたが、一方のWiggleでは日本語のレビューが5件ほど確認出来ましたが、皆さん高評価です。
やはり日本ではWiggleのほうが浸透しているんですね。
他国の英語でのレビュー記事も参考にしましたが、まずはその価格。
60,000円以内でタイヤとチューブがセットになって販売されているという事は、ホイールの実売価格は50,000円程度になると考えられます。
レビューでまず皆さんが口に揃えて言っているのが価格の安さです。
中には実売価格20万円程度の足他社50mmハイトのディープリムと比べても違いが分からないとの事。一昔前のカーボンホイールデビュー時期に発売されていた高額なカーボンホイールと比較すると、炭素繊維形成の技術の進歩などがあったのでしょうか。
また、高速巡航の伸び。35km/hから40km/hへの加速がスムーズで、35km/hの速度維持がかなり楽になったということ。
カーボンホイールと言えば忘れてはならないのがダウンヒルでのブレーキ問題に関して。
通常のアロイリムとは違いカーボンリムは抵抗が弱くブレーキシューが当たってもアロイリムほどの減速感が得られないとされていますが、このPR-50SEではそのような評価はされていませんでした。ブレーキも全く問題無いとのこと。
長いダウンヒルなどで長時間ブレーキングした場合のレビュー記事がありませんでした。最近のカーボンホイールでは長時間ブレーキによるカーボン素材の劣化というのもあまり聞かなくなりましたので、この製品も問題ないと捉えて良いのでしょうか?(そのようなレビューが無かったので、あくまでも当方の憶測です)。
PR-50SEの仕様
PR-50SEの仕様を見てみましょう。
カーボンですので、当然ながらリムもカーボンになります。
リムの素材 | T700 UD カーボンファイバー |
リムの幅 | 16.5mm(内側) 25mm(外側) |
ハブ | R020、CNC加工済み7075アロイハブボディー、Anti Bite Guard、Shimano/Sram9/10/11スピードフリーハブ |
スポーク |
PIllar PDB 1415、ダブルパテッド |
タイヤ | Hutchinson Fusion 5 クリンチャー×2 |
チューブ | Lifeline ロードインナーチューブ×2 |
ハブベアリング | フロント:2×689、リア:2×6802&1×15267、フリーハブ:2×6902 |
重量 |
メーカー公表値:F:707g、R:900g、計1,607g |
ユーザー実測値:F:720g、R:905g、計1,625g |
|
ホイールサイズ | 700C(622) |
リムの深さ | 50mm(ディープ) |
素材 | カーボン |
特質すべきはメーカー公表値の製品重量と、実際に購入したユーザーさんがレビューにて公表している製品の実測値の誤差が極めて少ないということ。
これは製品の品質の全体のブレが極めて少ないという証であると考えます。
安かろう悪かろうの粗悪カーボンであるのならば、製造過程での精度の悪さからくる製品一つひとつの誤差の幅が大きくなるはずです。
Primeは品質的に優れているという証明になると思われます。
そして、この前後で1600gという重量ですが、決して軽くはないけれど重くは無いという印象です。ZONDAよりもちょっと重いくらいでしょうか。
他の50mmハイトのディープリムと比べると、決して重くはないと思います。もっと重いディープリムもたくさんありますから。
ただ、レビューの中では、漕ぎ出しから勾配4~5%の登りで脚を取られるというレビューもありました。まぁ、50mmのディープリムは間違ってもヒルクライム用のホイールではないので、その辺は割り切りも必要ですね。
まとめ
軽量のカーボンクリンチャーのディープリムでありながら、価格が60,000円を切っているのにタイヤとチューブまでが付属されているホイールは他には見た事がありません。
決してヒルクライム用では無いものの1,600gの重量でしたら、軽いアップダウンが続くロングライドでもそれほど脚を取られる事も無いのでは?と思います。あくまでも完成車付属の鉄下駄と比べた場合です。
ルックス的にもディープリムでホログラムの掛かったPrimeのステッカーは遠くから見てもかなり目立つそうです。さらにホイールのデカールが目立つのを嫌う人用にブラックの控えめな取り替え用のPrimeステッカーが付属されてくるそうです。
カーボンディープリムをご検討中の方のお役に立てば幸いです。