どうして山に登るのか?
と聞かれれば、ロードバイク好きの皆様なら何と答えますか?
答えは.....
そこに山があるから......
でしょうか!?
それとも.....
そこに坂があるから......
でしょうか。
答えは人それぞれで良いと思います。
ロードバイクを始めたきっかけだってみんな違うのですから。
ヒルクライムが好きだろうが、ロードレースが好きだろうが、クリテリウムが好きだろうが、みんな一括りにすれば自転車が好きなだけなのです。
今回の記事は、「苦手なヒルクライムをどのように克服するか?」について、個人的な見解を示したいと思います。
はたから見れば自虐行為!?らしい.....
自虐行為なんてちょっと言葉が悪いような気もしますが....私が言ったんじゃないですよ!。
知人談です。
その知人に言われた事なですけど、「なんでヒルクライムなの?坂登りキツくないの!?」と。
いやいや、キツいんですよ。坂は。
だって重力に逆らって自分の体重と自転車の重さを頂上まで運んでいるんですから。
そりゃ、はたからみれば夏のクソ暑い日に汗をぶったらしながら、ゼェゼェハァハァ言いながらロードバイクで坂を登っていたら、それは自虐に見えても決して間違いではないようにも思えます。
ある意味マラソンも同じと思うのは自分だけ!?。
ヒルクライムに対してあーだこーだ言ってくる人ほど、実は正月にテレビにかじりついて箱根駅伝を観ているというオチ付きだったりします.....笑。
こっちは相手にどう思われてようが、そんなの全然気にもしませんけど。
釣りが好きな人は冬の極寒の海にであっても、喜んで釣りに出かけます。
何故か?。
理由は唯一つ、釣りが好きだからです。
ゴルフが好きな人は、多少の雨であっても気にせずにラウンドします。
何故か?。
ゴルフが好きだからです。
ヒルクライマーも同じことが言えるでしょう。
坂が好きだから?
いや、
ロードバイクが好きだから、ロードバイクで走れるところなら上りだろうが下りだろうがあまり気にしないんだと思います。
坂を登る理由は1つ「日本は島国だから」です
「日本は島国だから」って、あまり理由になってないですが、端的に言いますと日本は山が多くて結果的に坂が多いお土地柄。
坂を嫌っていては狭い国土の日本は走れない。
ヒルクライムが苦手というサイクリストさんももちろんいますが、逆に言うとロードバイク乗りの全ての人が登りが速いか?というと決してそうでは無いです。
地方や沿岸平野部山沿いなどの場所にも寄りますが、平地を探すのは本当に大変です。
私の住んでいる地方は自己紹介欄の通り岩手県なのですが、岩手県は県土の殆どが山、山、山です。
平地なんて殆どありません。
一般道も勾配があるところが多く、沿岸はリアス式海岸でカーブと勾配のオンパレードです。
これらの条件の土地でトレーニングをしようとすると、結果的に坂を登らなければならない訳です。
坂を嫌っていては平坦地も走れない。
だから坂を登るのかも知れません。
苦手意識の克服から
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、「嫌い」とか「苦手」という意識が少しでもあると、なかなか物事は上達しないものです。
心のどこかに「苦手」という意識があったとします。
その苦手なものに取り組もうとすると、体は正直に「拒否反応」を示すのが人間の本性なのかも知れません。
拒否反応を示した体でその物事に取り組もうとしたって、絶対に上手くいくはずなんてありません。
ちょっと話が逸れます。
私の過去の経験談ですが、若いころチェーンレストランで働いていた時のこと。
レストランで使う食材の納品が毎朝あるのですが、一日の始まりは約1時間を要するこの「食材納品作業」から始まります。
私はこの納品作業が大嫌いでした。
まずは力仕事。
そして一人で納品仕切れないほどの量。週末や連休前には原価にして約数十万円分の食材がダンボールで50個ほど納品され、それを全部バラして冷凍庫冷蔵庫に収納します。
「嫌い」という意識があるうちは、絶対にその作業をマスターすることはありません。
だって「嫌い」なんですから。
でも、ちょっとだけ自分に意識を変えるように心に働きかけてみました。
まさに「好きこそものの上手なれ」のことわざを引用する形です。
苦手なんだけど、「自分は納品が好き、納品が得意、この店舗の中で納品なら誰にも負けない!」
と常に自分の意識の中に働きかけます。
言ってみれば自己暗示を掛けているようなものです。
食材のラベルもスーパーやコンビニの陳列棚と同じように、こちら側を向くようにキレイに並べました。
先入れ先出しが出来るよう、新しい食材は面倒臭がらずに一番奥へ並べるように徹底しました。
半年ほど経過しました。
誰よりも納品を速く、キレイに出来るようになったという自負が芽生えました。
いつの間にか納品という作業が好きになっていました。
この事例は、「苦手」な意識を「得意」なものに変換して、さらにクォリティーを高めた自分の中の成功事例の1つだと確信しました。
この事例をもとに、人生や仕事やプライベートにおいて、苦手なものを得意なものに変化させるというのは可能なのだと学習しました。
苦手なものは克服出来る
上記の事例を上げると、「ヒルクライムが苦手」という意識も変える事は十分に可能だという事です。
ちょっとだけ自分の意識に「嘘」をついてみて下さい。
今回のこの記事は「ヒルクライムが苦手な人のための記事」ですので、この記事をご覧になっている方はきっとヒルクライムが苦手な方だと察します。
トレーニング中に登り坂に差し掛かった瞬間に
「ハァ.......」
とため息が出ているのかも知れませんが、その意識に少しだけ嘘を付きます。
「登り坂キタ━ー━(゚∀゚)ー━━!!」
もしくは.....
「オレ坂好き オレ坂好き オレ坂好き」
と嘘でも自分の心に言い聞かせる。
嘘でもです!。
私が納品を得意とするようになったきっかけは、自分に嘘をつくことから始めました。
「全ての真実は嘘から始まる」と言っても過言ではないくらいです。
これは、私が苦手意識克服の為に編み出した言葉でもあります....笑。
私もどうしようもない貧脚ですが、別に貧脚だからとてヒルクライムに対して苦手意識があるか?というと、決してそうではありません。
むしろ、ヒルクライム大好きです。貧脚なのに.....。
もともと苦手意識があった訳でもありませんけれど、ヒルクライムにも妙な魅力を感じます。
ヒルクライムの魅力とは?
では、ヒルクライムにはどんな魅力があるのでしょうか?。
日本全国、ヒルクライムレースは各地で開催されるようになりました。
数十年前まではロードレースと題して各地で行われていましたが、ロードレースの場合はヒルクライムも含めてダウンヒルでの事故が頻発したと言います。
やはり参加者が落車などで怪我をすると、運営側が責任問題を追求されることも多いのです。
殆どのロードレースは一般道を閉鎖して行うので、あまりにも事故や怪我が多いと警察からの道路使用許可を取るのも難しくなります。
参加者から運営の体制やコースに対しての安全性を問われた事もさぞあったでしょう。
そんな背景からロードレースはダウンヒルの無いヒルクライムレースへとシフトして行きました。
ヒルクライムの魅力1:安全な競技である
ヒルクライムはよほどの上級者でも無い限り極めて低い速度域で終始レースが行われるため、接触や落車などのリスクも極めて低いのが特徴です。
表彰台に上り詰めるためにトップ争いに加勢するのもよし、自分との戦いで自己ベスト更新を目指すのも良し、自分の目標を明確に設定して無理なくレースに取り組む事が出来ます。
速い人でも遅い人でも、ヒルクライム後に頂上でくつろぐ瞬間は、「ライバル」から「ロードバイクが好きなもの同士」という関係に一変します。
しかも、最高の景色を観ながらお互いを称え合うわけです。
これがヒルクライムの魅力だと思います。
坂があるから登る。
登った後に得られる快感や達成感は登った人じゃないとわかりません。
どことなく登山にも似てますね。
ヒルクライムの魅力2:実力以上の事は絶対に起こらない
自分の実力以上の事が起こらないのがヒルクライムです。
これを言ってしまえば他のスポーツも該当するものが多々ありますが、登り一本勝負では「まぐれ」や「偶然」は絶対に起こり得ません。相手がリタイヤしない限り.....。
実力がタイムという結果で把握出来るのは陸上競技のそれにも似ているところはありますが、陸上競技は「走るのが好き」な人のスポーツで、ヒルクライムは「ロードバイクで坂を登るのが好き」なサイクリストのためのスポーツです。
何にも代えがたいものがある....と思うのは私だけでしょうか?。
ヒルクライムの魅力2:競技年齢が幅広い
体には負担が掛かりますが競技年齢が幅広いのも魅力の1つです。
怪我や体力の低下を考慮すれば、生涯取り組めるスポーツであると確信しています。
各地で行われるヒルクライムレースは、小中高生から20代~60代までカテゴリー分けされているので、自分の世代の人たちと純粋にガチバトルが出来ます。
体力的に20代には負けるけれども、同世代には絶対に負けない!という根性があれば、「今年ボロボロだったとしても来年またリベンジ!」という選択肢が増えます。
中でも60代以上のクラスの方の競技人口が多いスポーツはマラソンかロードバイクか.....と言ったところでは無いでしょうか?。
流石にサッカーやバスケットを60代の人が...というのはあまり聞かない話です。
レース会場やイベントなどで、60代の人がコルナゴのクロモリバイクに大事そうに跨って走っているのを見かけると、妙なワクワク感が止まりません。
「この人、本当にロードバイク好きなんだな~」
と....。
感慨深いモノがあるのもまた、ヒルクライムの魅力なのかも知れません。
そんなヒルクライムの魅力を自分なりに箇条書きにしてみて振り返り、魅力を再発見することで、苦手意識を克服するためのメンタルトレーニングにも繋がると思います。
まとめ
今回は苦手なヒルクライムを克服するための記事を書いてみました。
苦手意識を克服して好きになったからとて、翌日からヒルクライムが速くなるか?というと、決してそうではありません。
やはりヒルクライムでタイムを縮めるには、日頃からの計画的なトレーニングが必要不可欠です。
そんな意味でもヒルクライムレースは、誰にでも無理なく!?自分のペースで取り組める安全なスポーツなのです。
苦手な意識を克服して、自分との戦いであるヒルクライムで結果を残せればきっと、
「ロードバイクが人生を熱くしてくれる」
事と思います。