ロードバイクの車載キャリアを作ろうと思ったきっかけ
この記事を書いているのは2017年の11月。
もう冬です......。
朝の気温もお世辞にも暖かいとは言い難い季節となりましたね......。
こうなるとロードバイクのトレーニングもサボりがちになるものですが、この冬の頑張り具合で来シーズン幕開け時の体の出来具合いが決まってしまうとなると、本腰を入れたい気もしなくも無く.....といった感じです。
シーズン中は50kmのロングライドであっても基本は自宅から自走で走り勿論自走で戻ってきますが、季節が冬ともなるとちょっと考えものですよね。
で、自分の周りの諸先輩方のトレーニングスタイルを伺ったところ、冬季はあまり無理・無茶をせず、目的地までのある程度の距離をクルマで運ぶのだとか。
そのほうが車内で暖も取れるし、いざという時もクルマまでたどり着ければ様々なリスクも回避できるというのだそうだ。例えばバイクの故障やパンクなど。
回りくどい説明はこのくらいにして、ロードバイクをホームコース近くの目的地までクルマで運ぶ方法を考えてみました。
手っ取り早く今回ご紹介するキャリアがどんなものか知りたい方のために動画を作りました。
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車載キャリアの既製品はあれども......
いや、何もDIYしなくても既製品はあるのですよ!。
amazonさんをちょっと覗けば、MINOURA製からドッペルギャンガー製やら.....。
既製品の素材はアルミ製で見た目良く、レビューを見る限り高評価が目立ちます。
自分も最初は既製品を購入しようとしていましたが、「ちょっと待った」が掛かりました。
まず、如何せんお値段が高い。
1台積みで約¥6,000-程度。
2台積みでホイールサポートまで含めれば¥12,000-を超えてしまう。
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いつもなら躊躇せずポチっとするところですが、よくよく見るとこれらの製品はベースとなる台座部分を車体に固定しないもののようでした。
購入者さんの実際のレビューを見る限りでは、普通の運転なら移動中に倒れる心配は無いとの事ですが、裏を返せば普通以上の運転をしてしまえば車内で転倒の可能性もあるというもの。
これは困りモノです。
MINOURAさんの製品は私も色々と愛用させて貰っているので、品質や使い勝手が良いのは折り紙付きです。高いですけど.....。まぁ、モノが良いので許せる範囲なんですけどね。
最近のロードバイクの車載方法トレンドは?
これまでのロードバイクの車載の主流は屋根上か後部ハッチ(トランク)取り付けでした。
しかし、最近の主流は車内積載が多いようです。
屋根上や後部積載では専用のルーフキャリア等が必要となり、しかもこれがかなりの高額になるのがネック。常に外気にさらされているため雨やホコリなど自然の影響をモロに受けます。
まぁ、所詮屋外を走るために買ったロードバイクですから当然と言えば当然、かつ自然の姿なんですけどね......如何せんお値段的にも高~いカーボン製フレームに飛び石なんぞ喰らった日には飯も喉を通らない事だってあるでしょう。
盗難のリスクだって否めません。
こような事例からも、最近では車内積みが多くなったようですよ。
車内積載だと移動中の道の駅でちょっとトイレ休憩の間、クルマに戻ったらバイクが無かった.....なんて心配からも開放されます。
あ、車外積載のメリットがあった!。
自分のロードバイクを周りのクルマに自慢できる!。これは所有感に浸れる唯一のメリットかも.....です。
車載キャリアをDIYで造る事にした....
今回のプランは、ベースとなる台座部分に2×4(以下ツーバイフォー)角材を使用します。
メリットは何と言っても木材なので加工がしやすいこと、これに尽きます!。
耐久性を上げるのと見栄えを良くするために簡単な塗装も施す予定です。
ツーバイフォー材の台座部分にフォークマウントをボルトで固定しフロントタイヤを取り付け、さらに外したフロントタイヤをホイールサポートでしっかりと支えるというプランの概要です。
フォークマウントとホイールサポートは既製品を使用します。
これは前項でリンクを張っているMINOURAさんの製品と全体像はほぼ一緒、というか参考にしたものなんですけど、唯一の違うは 台座部分を車体にしっかりと固定したい! というのが今回のこだわりプラン。
しかも、バイクの上部分(ハンドル部)も出来ればベルトなどで固定したいと考えています。
今回のプランが成功すれば、多少の荒っぽい?運転でも、さらには峠でドリフトして横Gが掛かったとしても、そうそう簡単には転倒しなのでは無いか?と。
あ、軽バスでドリフトは無理か.......。
では、パーツを見繕います。
おっと、その前に......
当方が今回車載しようとしているクルマは日産の軽バス クリッパーバン(三菱ミニキャブ) です。
クリッパーと言わず、スズキ・EVERYやホンダ・バモス、スバル・サンバーなど、各社の軽バスも殆ど同じサイズ(当たり前)ですので、今回紹介する寸法で応用出来るかと思います。
ご参考まで。
キャリアDIYのためのパーツの選定
ホイールサポート
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ホイールサポートは既製品を使用します。
お値段も¥2.000弱という事なので痛い出費では無いとは思うのですが、少しでも安く上げたい場合は必要無いかもです。
その場合、外したフロントホイールは、座席の下などにバンドで固定するという方法もあるかと思います。
しかし、ホイールサポートがあれば、後ろのハッチを開けた時のインパクトが大では無いかと。
DIYは安く仕上げる為の一つの手段かも知れませんが、私はある程度見た目のクォリティーにも拘りたいと思うので、この際¥2.000-を惜しみなく出しました。
フォークマウント
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フォークマウントについても既製品を使用します。
Amazonさんを検索すると数種類出てきましたが、それぞれのレビューを比較した結果、デルタのマウントが一番まとものような気がしました。
しかしながら、まだまだ良い製品というのはあるわけで....。
Amazonを徘徊していると、もっと価格がリーズナブルでしっかりした製品を発見しました。
こちらです。
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今回はデルタ製を注文してしまったので、デルタの製品でこのまま作業を続けます。
ツーバイフォー角材
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ベースとなる2×4角材はクリッパー(軽バス)の荷台の横幅 1300mm に合わせて購入していますので、もしもこの記事をご覧になっている皆様がDIYの参考にされるのであれば、ご自身のマイカーの荷台の横幅を計測してから2×4材を選定して下さいね。
メーカーが違えど、軽バスであれば1300mmで充分かと思います。この後に説明しますが、2×4材の両端部分には車体に固定するためのアジャスターが合わさる予定ですが、そのアジャスターの長さ分の-90mmをカットする予定ですので、実際に使用する2×4材は1200mmという計算になります。アジャスター自体もネジで伸び縮みするので、±70mm程度の余裕があります。
実際に注文する場合、ご自分のクルマの荷台の寸法の実測値から-100mmの2×4材が必要と考えて下さい。
ツーバイフォーアジャスター
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ツーバイフォー角材を車体に固定する為の両端を支えるアジャスターです。
そもそもこのアジャスターの存在を知らなければ、今回のようなロードバイクの車載キャリアをDIYするという気にもならなかったでしょう。
かなり秀逸な商品です。
平安神鋼工業さんという会社で製造販売しています。
この機構がMINOURAさんの製品にあれば最強なんでしょうけれど.....。
私の今回のDIYの拘りのポイントがこれです。
実際に出来上がってみてどうなのでしょう.....。
この仕様、実はウチの嫁が自宅リビング用にDIYで作った本棚でその強度と信頼性は実証済みですのでご安心を。
問題はクルマの振動や横Gにどの程度耐えられるかですが、この記事の末尾で使用感をしっかりとレポートしたいと思います。
必要な工具
自らDIYで車載キャリアを作ろうと思われた方、すみません。今のうちにお詫びしておきます。
DIYのメリットは何と言っても既製品よりも安上がり且つ自分好みに仕上げるというのが大前提。
自分好みという点で言えば、自分の設計プランに基いてパーツを選定したり木材を加工したりという事が可能ですが、加工に必要な工具がそれなりに必要です。
工具まで揃えるとなると、既製品よりも高くなってしまう可能性大です。
最低限必要な工具がドリルドライバー(インパクトドライバー)、木材の加工に使用するドリル刃と木工用ボアビットという工具を使用します。
インパクトドライバーなんて値段もそれなりですし、誰しも持っている訳ではないですのでちょっとハードルが高いかもですね。
しかし、いざ大金を叩いて持っていると、何かと重宝します。タイヤ交換の仮止めやネットで購入した家具の組立時、家の壁に穴を開ける時、今回のようなDIYをやる際など、持っていて損は無いと思われます。この際、購入するのも良いのではないでしょうか?。一度買えば、黙って5~6年は使えますしね。
もしくは、普段あまりDIYをしないという事であれば、持っているお知り合いから工具を借りるというのも手ですね。
以下、必要な工具と備品を載せておきます。
インパクトドライバー
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あればあったなりに重宝する、もはや一家に1台の必需品。
有名どころではマキタやリョービ・日立などですが、最近では1万円以下での安価な製品も出回るようになりました。
ドリルドライバーでも有りです。むしろ、今回のような作業ではドリルドライバーのほうが良いかもです。
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ドリル刃
これが無いことには穴が開けられません....。
今回のような木材加工では木工用のドリル刃で勿論良いわけですが、将来的な事を考えればちょっとばかりお高くても金属用を購入するのもアリです。木工用では木材しか加工出来ませんが、金属用は木材にも使用できる汎用タイプが多いです。
木工用を購入して、いざ次のDIYで金属の加工となった時に、また新たに金属用のドリル刃を購入する羽目になるとも限りません。
今後の事も踏まえて購入しましょう。
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因みに、六角軸タイプのドリルビットを選ばないと、ドリルチャックを別途用意しなければならなくなりますので、6角軸タイプを選んだほうがいいでしょう。
間違って六角軸タイプでないモノを購入してしまった場合にはこちら。
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木工用ボアビット
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木工用ボアビットは、ボルトの下を締めるナットの下部分が荷台面に干渉しないようにナットの逃げを加工する為に使用します。
ボアビットを使えば、ドリルで穴を開けるよりも遥かに大きい穴を開けられますので、今回のような作業にはとても便利です。
今回は26mmタイプを使用しましたが、実際にはM6のナットが収って工具が入る隙間があれば充分ですので、もう少し小さくても良いと思います。
このような穴が開けられます。
固定用ボルト
固定用ボルトは近所のホームセンターで購入しました。
おすすめサイズは M6×45mm ですが、当方のご近所にはこのサイズが無くやむを得ず M6×50mm を購入しました。
しかし、50mmだとボルトが長すぎてツーバイフォー材からはみ出てしまいます。私は急遽、余分に買っておいたナットをあらかじめ余計にかまして底に突き出ないようにしましたが、何とも見栄えが悪いです。
こんな感じです。
こうならないためにも、45mmの使用をおすすめします。
作業工程
角材のカットと塗装
実際の作業工程の前に、実車の実寸も取らなければなりません。
ここでは実際の自分の車に合わせて実寸を取って作業を進めてみます。
クリッパーの二台の横幅は1300mm、それにツーバイフォーアジャスターの長さ95mmを考慮して、角材は1200mmでカットします。
95mm+1200でトータルの長さは1295mmとなりますが、足りない分は取付け時にアジャスターで調整出来ます。
カット後の角材を塗装するかどうかはお好みで宜しいかと。言うまでも無く、塗装の目的は材料の防食、見た目を良くすること、この2点です。
この記事をご覧になっている方の殆どは、ミニバンかステーションワゴンのオーナーさんとお見受けします(というか、その方々のための記事です)ので、想像してみてください。
リアのハッチを開けた時に、自慢の愛車とともに綺麗な車載キャリアが出てきたら、ご友人はきっと「おぉ~~!」と感動して下さることかと。
自転車乗りだからこそ、見た目にも拘りたいものです。
角材の加工
角材のカットと塗装が終わったら、両サイドにアジャスターをセットしてクルマの荷台に乗せてみます。
アジャスターはツーバイフォー材の両端にかぶせるだけですので簡単に装着出来ます。
もしも、ロードバイク(クロス、マウンテン含む)を2台積載するのであれば、それらを考慮してマウントとホイールサポートを固定する位置決めをします。
但し、クロス・マウンテンバイクの場合、ハンドルが一文字なので2台積載は厳しいかも知れません。
検証していないので何とも言えません、ゴメンナサイ.....。
ロードバイクの場合、ハッチに向かって左端にマウント、中心側にホイールサポートのほうが見た目と機能的にもOKかと思います。
実際にロードバイクのフロントホイールを外して位置決めをしてみましょう。ポイントはハンドルがクルマの壁に干渉しないことです。
位置が決まったらマーキングしておきます。
マーキング後、3mmの木材用ドリルで穴を開けて裏側まで貫通させます。
貫通させたら木材をひっくり返して、その貫通穴を軸にしてボアビットでボルトの逃げ部分を加工します。
マウント用とホイールサポート用の二つの穴が必要です。
M6のボルトだと正味10mm程度の深さまで掘れば宜しいかと。
とりあえず必要な加工はここまでです。
マウントの組み込み
と、ここで問題が発生。
冒頭で45mmのボルトが望ましいとの事を書きましたが、その要因は私が用意した50mmではボルトが長すぎて角材の底から顔を出してしまうのです。
実際には3mmほど出てしまいました。このまま車体に固定してしまうと、クルマの荷台部分に傷も付いてしまうし、何より不安定になってしまいます。
そこで、ボルトの頭の部分にもう一つナットをかまして長さを稼ぐことにしました。
先程も紹介しましたが、こんな感じです。
なので、おすすめのボルトサイズは M6×45mm です。
ホイールサポートの組み込み
さて、次にホイールサポートですが、これもちょっと問題が発生です。というか、最初からチェック済だったのですが、ホイールサポートにデフォルトで付いてくる固定用アジャスターのネジの長さがどうにも足りません。
こんな感じです。
目視で8mmもありません。
なので、勿体無いですがこのパーツは使わずに、やはりM6×50mmをここでも使用します。
今回の作業では、M6×50mm(45mm)のボルトを計3本使用します。
内訳は、マウントに2本、ホイールサポートに1本。
但し、上記の通り、ボルトが長すぎる為に予備のM6ナットを購入していたので、もしもM6×50mmのボルトしか手に入らない場合、M6ナットのみ余分に購入しておいたほうが良いかもです。
部品代も数百円で済みます。
ホイールサポートは一旦パーツをバラバラにして、マウント部分だけを先にベースに止めてしまってから作業します。
完成後はこんな感じです。
因みに、私はレース参加のために長距離を積んで走る事も想定していました。上下からしっかりと固定するため、上部にあるインテリアバーも装着しました。
これがあると、上からハンドルを吊るす形で固定出来るので横Gに対する応力が期待出来ます。
ところが、クリッパーバンの場合、荷台部分にはアシストグリップ(手でつかむところ)がありません。
因みに、カーディーラーの友達に聞いてみたところ、各社の軽バスには荷台部分のアシストグリップは無いとのこと。
商用車ですからね......。
これです。
日産の部販に行ってクリッパーバン用のアシストグリップを2個購入、ナッターでネジ穴を作ってからアシストグリップをネジ止めしました(というか、ナッターが無かったのでディーラーの友人に外注しました)。
ディーラーに頼むと部品代工賃込みで¥10.000を超えるとの事であまりおすすめは出来ませんが、長距離や高速移動を考えている場合は検討の余地ありです。
ナッターをお持ちの方でしたら、ご自分でやられたほうが安いのは言うまでもありませんね。
因みに、ノア・ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンからエルグランド、アルヴェルなど、5ナンバー以上のミニバンには普通付いているはずです。
完成後、実際に積んでみた
結局、これらの大掛かりな作業を施すこと3日間。
ようやく完成したので実際にロードバイクを積んでみました。
因みに、当方は2台積む予定はないので1台分で製作しました。
2台目のスペースを確保さえしておけば、いざ2台目という時にはマウントとホイールサポートを追加購入して取り付ければOKです。
上から吊っているのが、TERZOのリンクストラップというもの。
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荷物の固定など、様々な用途で使用できます。
2本入りです。
そして、両端のアシストグリップに跨がせてある棒のようなものが、クレトムのインテリア・バーです。
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安いだけにクォリティーはお世辞にも高級のかけらも無いほどチープですが、ここまでお金を掛ける必要性も感じなかったためダメモトで購入しました。
しかしながら、荷物を固定するという使用用途では、さほど問題もなくしっかりとサポートしてくれます。
私自信はアシストグリップに跨がせているだけです。実際に走行してみましたが、問題はありませんでした。
もしも不安でしたら、アシストグリップにしっかりと固定するツールもクレトムから出ていますので用意するのもいいと思います。
しかし、実際は長めのタイラップで留めるだけでも良いかと.....(見た目を気にしないのであれば....ですけど)。
まとめ
今回はロードバイク用の車載キャリアをDIYで作ってみました。
実際に走ってみましたが、ピクリともせずしっかりとロードバイクをサポートしてくれていました。
時間に余裕のある方は、DIYで作ってみては如何でしょうか?。
それでは。