ロードバイクが人生を熱くする

STRAVA サブスクリプション及びパワートレーニングのための用語集

2020年1月22日

STRAVA SUMMIT及びパワートレーニングのための用語集を作ってみました

STRAVAの有料版である STRAVA SUMMIT の用語があまりにも難解なので、用語集を作ってみました。

基本的には自分用の備忘録として作りましたが、せっかくなのでSTRAVA愛好家の皆様と情報を共有したいとおもい記事にしました。

自分の概念なども随所に入っているので、間違いや勘違いがあるかも知れませんのでその点はご了承下さい。

 

もし、間違いやご指摘事項等ありましたらコメント欄などでお知らせ頂けると幸いです。

 

今回の記事作成に伴い、パワートレーニングをする上で必要となる用語も一緒にまとめます。

 

 

 

用語集

相対的エフォート

心拍数データを伴うアクティビティー(活動)における有酸素運動の量を測定したもの。

そのアクティビティに対してどれだけ頑張ったのかを数値で示します。

 

ロードバイクのパワートレーニング用語では相対的エフォートに似た数値でTSS(トレーニングストレススコア)というものがありますが、そもそもSTRAVAが提唱する相対的エフォートはデータを算出するための考え方とデータがTSSとは若干違うようです。

簡単に表現すると、TSSはパワーメーターを付けたロードバイクトレーニング専門の用語であって、相対的エフォートはアクティビティー中に心拍の数値を拾えるスポーツであれば、ロードバイク以外の競技であってもそれに近い数値を導き出す事が出来て且つ、他の競技同士であっても互いの運動によるストレスを相対的エフォートで純粋に比較することも出来ると言えます。

 

短時間の激しいアクティビティーと長時間の緩いアクティビティーの運動強度が同等だとした場合、それらを相対的に数値化することで、各アクティビティーの有酸素運動の量を数値で比較することが出来るわけです。

有酸素運動の量を測定するという定義からも分かるように、相対的エフォートは各スポーツ全体で比較することができます。

また、個人の心拍数ゾーン合わせた値が表示されるので、他のアスリートと比較することも可能です。

負荷の大きい10kmを友だちと走った場合、フィニッシュタイムが異なっても運動の量自体は変わらないため、相対的エフォートは同様の数値を示すことになります。

同じ時間をかけてロードバイクでライドした場合も、相対的エフォートは同等になります。

 

 

週間エフォート

週間エフォートはその週に行われたアクティビティーの合計値

STRAVA SUMMIT内では週次エフォートとも表現されています。

下の画像のグラフを参照ください。右上の太字の459という数値がこの週(1月第3週)の週間エフォート(1週間のアクティビティの合計値)ということになります。

 

グラフの中央には 毎週の傾向を基にした相対的エフォートの範囲 が白い帯で示されています。

この範囲内でアクティビティを行うことで、過剰トレーニングのリスクを最小化しながらフィットネスを維持・構築する判断の基準とします。

しかしながら、故障やリスクを気にするあまり、白い帯の範囲内でのアクティビティを意識し過ぎるとフィットネススコアが上がりづらくなる傾向になるため、日々のアクティビティにどの程度の強度を掛けるかのさじ加減(判断)は最終的に個人が微調整しなければなりません。

白い帯の範囲内でフィットネスを維持出来た場合はフィットネス数値は安定傾向になります。この範囲内でアクティビティを維持できた場合、リカバリタイムを取る必要は無いと言えます。

逆にその週をリカバリタイム(回復)として過ごしたい場合はこの範囲以下にアクティビティが収まるように調整する必要があります。

さらにこの白い帯の範囲を大幅に上回った場合は負荷を急激に上げたことを示唆しており、怪我や故障のリスクが増大し過剰トレーニングであることを意識しなければなりません。

リスクと隣合わせで疲労は増しますが、相対的エフォートの数値とは反比例してフィットネスの数値は確実に上昇傾向になります。

自身がトレーニングを続けていくにつれ、この白い帯の範囲も同時に上がっていきます。これは体力(フィットネス)や調子が向上している兆候として捉えることが出来ます。

 

 

FTP(持続可能体力値)

Functional Thershold Power の略。

持続可能体力値(FTP)とは、1時間全力でペダリングした場合のパワーの最大平均値を数値化したもの。つまり、1時間あたりの平均パワーです。

例えば平均パワー275Wで40キロメートルのタイムトライアルを60分ライドした場合、FTPは275Wでとなる。

STRAVA SUMMITの分析パックを契約していれば、簡易的に自動計測した推定FTPを 最高負荷パワーカーブ  (STRAVAサブスクリプション契約していないと見られません)で知ることが出来る。

 

 

Fitness & Freshness

日々のトレーニングを数値化するためにトレーニング負荷および相対的エフォートを使用してデータ化したSTRAVAサブスクリプションの機能のひとつ。

 

 

Fitness&Freshnessを参照することにより、任意の期間のトレーニングの積み重ねによる体の仕上がり具合(フィットネス値)を把握し、同時に疲労度フォーム(疲労度からフィットネス値を引いた数値)を知る事ができ、自身のコンディションの調整やアクティビティの強度を調整する基準を知ることが出来る。

STRAVA SUMMITを使用する上で基本となるフォーマットのひとつである。

 

 

フィットネス(CTL)

単位期間あたりのトレーニングの積み重ね、あるいはトレーニング量そのものを数値化したもの。

レースを行う上で現時点での自分の総合戦闘力と解釈したほうが分かりやすかも知れません。(ライバルのスカウターに表示された自分自身の戦闘力と理解しましょう...笑)。

一般的にパワートレーニングではCTL(長期トレーニング負荷)として扱われる数値となります。

 

フィットネスの数値は、Fitness&Freshnesページの左上に大きく表示されています(赤丸の部分)。

 

 

このフィットネスがSTRAVAサブスクリプションを使用するに当たっての、最も基礎となる数値の一つなのです。

このフィットネスの数字を知るためにサブスクリプションを契約するという認識で間違いないと思います(個人的見解です)。

フィットネススコアはトレーニング負荷および相対的エフォートを使用して計算され、毎日のトレーニングを測定して自動的に導き出されます。

数日間のあいだ、なにもトレーニングを行わなければ限りなくゼロに近くなり、春先に向けてトレーニングを開始すると数値が徐々に積み上がる。

しかし、休息を設けたり、また長い間トレーニングから遠ざかると減少傾向となる。

レース日までに疲労やフォームの数値を意識しつつ、フィットネスの数値を限りなく100(あるいはそれ以上)に近づける事がシーズンの大目標となる。

 

 

疲労度(ATL)

疲労はアクティビティにおける心拍数を基に計算される体の疲労の度合いを科学的に導き出します。

人間が体に感じる、いわゆる疲労感を数値化したもの。

一般的には直近7日間の練習による影響を表したもので、数値が高くなればなるほど疲労が蓄積しているということになります。

パワートレーニングではATLとして扱われる数値です。

 

上の画像のFitness&Freshnessグラフは2020年1月26日現在のものですが、6日連続で延べ170kmほどライドした結果、疲労が112まで上昇しているのがわかります。

フィットネススコアは10日程度で18から44まで26上げたのですが、それに伴い疲労が急激に蓄積しているのが分かると思います。

このように、疲労度の数値が高ければ疲労が溜まっていることを意味し、ゼロに近ければ近いほど疲労が抜けている事になりますが、ゼロに近いということは同時にトレーニング不足に陥っているということです。

何故なら、疲労が蓄積していないという事は久しくトレーニングをしていないということなので、フィットネススコアも比例して下がっているはずです。

ですのでシーズン中にゼロに限りなく近いというのは考えづらいでしょう。

 

高強度のトレーニングの直後には疲労の数値が急上昇し、翌日以降は徐々に減少傾向となります。

シーズンオフから3~4ヶ月の間、全くワークアウトをしなくなると、疲労度が0になることもあります。

一旦0まで下げてしまうと、シーズンが始まってから既定値までフィットネスを上げるのには相当な時間を必要とします。

 

結論として、例えばシーズン最初のレースが5月中旬にあるのだとしたら、2ヶ月前の3月からトレーニングを始めるのでは遅すぎるということです。

毎日トレーニングを重ねればフィットネススコアを上げることは容易ですが、同時に疲労も急激に蓄積していくので、疲労を抜きつつフィットネスを上げる、いわゆる調整の期間が短すぎる恐れがあります。

フィットネスに合わせて疲労度も最適となるよう、少なくともレースの4ヶ月前からはトレーニングを開始すべきです。

 

 

フォーム(TSB)

疲労度からフィットネス引いた数値

体調(またはコンディション)として認識すると分かりやすいです。

疲労を減少傾向にしつつフィットネスを上げながら最終的にこのフォームを出来る限りプラスに近づけるように調整することがベストなコンディションを維持するポイントとなる。

シーズン中はこのフォームの数値が体調や好成績にも影響を及ぼす。

パワートレーニングにおいては、TSB(トレーニングストレスバランス)として記され、パワトレ上では体の全体のコンディションや仕上がり具合として認識し、レースに向けて体を仕上げていく上では最も重要な指標となる数値です。

フォームがマイナスだとコンディションは疲労感が残っている状態、一方フォームがプラスであれば疲労が抜けていてベストな状態であると言えます。

但し、フォームが二桁(10を超える)数値であれば練習不足であると言えます。

レース直前でフォームがプラス10を超えているようでは、明らかにサボり過ぎです。

 

 

加重平均パワー

加重平均パワーはライドのパワーの変動を平滑化した数値です。

パワーメーターを使用しライドする場合は地形や風、勾配の影響を受けてその数値が変動します。

加重平均パワーがこれらの変化を考慮しつつ加重平均パワーを算出するので、通常のパワーメーターから導き出された数値よりもより信憑性の高いデータを導き出します。

 

 

合計運動量

合計運動量は(KJ=キロジュール)で表示されます。

ライド中に生成されるワット数の合計

ライド中の合計運動量と消費カロリーは、およそ1対1の比率となります。

 

 

強度

自身のFTP値と比較したアクティビティの難易度

ライドにおける加重平均パワーを観察し、FTPと比較することで導き出します。

たとえば加重平均パワーが250WでFTPをが300Wだった場合、強度は 250W÷300W=83% となります。

基本的に100に近くなればなるほど高強度アクティビティだった事を意味しますが、1時間未満のライド、またはレースなど短時間で高強度アクティビティの場合、合計値が100を超えることがあります。

 

 

セグメント強度

任意のセグメント(区間)で、どくらい頑張っているのかをそのセグメントで過去6週間に記録された持続時間に掛かった最大負荷と比較して、シンプルに数値化したもの。

 

 

トレーニングインパルス(TRIMP)

ワークアウト中に体に掛かる負荷を数値化したもの。

アクティビティーが体に掛けているストレスの量を数値化します。

エリック・バニスター博士(1933-2010)によって提唱されたトレーニングインパルス(TRIMP)を基に数値を算出します。

STRAVA内でのトレーニングインパルスは Fitness&Freshness で確認することができます。

トレーニングインパルスとは、行われたアクティビティに対する強度を示しています。

早い話、STRAVAにおけるTSSです。

パワートレーニングでは一般的にTSS(トレーニングストレススコア)として、トレーニングにより体が受けたストレスを把握する数値として、かなり重要視される数値です。

ライド中に測定されるパワーとFTPを比較して導き出すので、FTPの数値と似通っているものでもあります。

つまり、1時間全力でワークアウトをした場合のトレーニングロードは100になるはずです。

実際に自分が行ったワークアウト後にこの数値を確認することで、ワークアウト中の体感で直感的に数値を理解出来るようになります。

トレーニングインパルスを知ることで、ワークアウト後にどれだけのリカバリータイム(回復時間)を必要とするのかを知り得ることも出来ます。

但し、パワートレーニングに用いられる用語であるTSSとは、パワーメーターを装着した自転車でなければ算出されない数値であるが故に、STRAVAにおけるTRIMPがTSSと完全にイコールであるとは言い切れません。

なので、パワーメーターの無いサイクリストがSTRAVAのTRIMPをそのままTSSの数値であると解釈するのは良策とは言えません。

正しいTSSを導き出すにはパワーメーターの装着が必須です。

STRAVA上におけるTRIMPはあくまでもTSSの代替的な参考数値として捉えるべきです。

 

以下はそれぞれのトレーニングロードの数値に対して必要なリカバリータイムの目安。

125以下   24時間未満
125~250   36~48時間
250~400   72時間
400以上     120時間以上

 

 

パワーカーブ

任意の期間のライド中の乗り始めからライド終了までの平均パワーをグラフ化したもの。

過去6週間から最大2年前にさかのぼり比較することが出来る。

単位はワット(W)または毎キログラム1ワット(W/kg)で表示することが出来る。

 

 

パワーゾーン

パワーゾーンは、さまざまなレベルの運動をゾーンと呼ばれるグループに分割したものです。

パワーカーブが特定の時間(期間)におけるベスト記録を表示するのに対し、パワーゾーンはライド1秒毎のチャートを表示しパケットに分類されます。

例えば、パワーゾーンの1は惰走とすれば、パワーゾーンの7はスプリントクラスのゾーンということになります。

正確なパワーゾーンを取得するためには、精度の高いFTPテストを実施し、その数値をSTRAVAに反映させる必要があります。

 

 

VO2 MAX

VO2 MAXとは(VO2 max maximal oxygen comsumption)の略で最大酸素摂取量を指す。

最大酸素摂取量は有酸素運動能力を反映し、長時間の最大現下の運動持久力を決める重要な要素となる。持久力競技のアスリート同士の能力を比較する単位としてよく使われる。

数値が大きくなればなるほど最大酸素摂取量が高いということが言える。

 

 

エナジートップアウト

エネルギー消費量はライド中に行った運動量をキロジュール(KJ)で表したものです。

ペダリングの量、速さ、またペダリングにかけるパワー(W)を図る一つの指標となります。エネルギー消費量は、パワーメーターを使用すると最も正確に計測出来ますが、パワーメーター無しのアクティビティの場合は心拍計を基にしたSTRAVAの機能によりパワー値を計測します。

 

 

主観的運動強度

それぞれのアクティビティ毎の体感した負荷を1(軽度)から10(強度)の範囲で自身で記録する機能です。

ワークアウト全体の運動強度を追跡すると、主観的運動強度はアスリートの心拍数データの代わりになります。主観的運動強度は、相対的エフォートフィットネスなどの心拍数データを必要とする機能に役立てる事が可能となります。

 

 

VAM

VAMは垂直上昇をメートル/時で測定します。

上り坂を走行する時の速度を算出することができます。

VAMはさまざまな丘陵地や区間で負荷を比較することができるため、サイクリストやランナーに特に使用されています。

 

 

Lactate Threshold Heart Rate(乳酸閾値心拍数)

運動負荷を上げていくとそれに比例して心拍数も直線的に上昇していきますが、いずれ心拍数の上昇度合いは限界を迎えます。

この境目が有酸素運動と無酸素運動の境界線となります。心拍数ゾーンでいうと、Z4からZ5に移行する付近(心拍数は個々の能力により変わります)。

運動強度を上げていくと血中では乳酸が生成されていきますが、この乳酸を分解するために体内では心拍を上げて酸素をさらに取り込み、フレッシュな酸素によって乳酸を分解しようとするわけですが、その作業はいずれ限界を迎えてしまい維持していた運動強度を確保できなくなってしまいます。

この乳酸が溜まり始める時点での心拍数を、乳酸閾値心拍数(にゅうさんいきちしんぱくすう)といいいます。

 

 

 

パワートレーニングのための参考書籍

パワートレーニングをする上で欠かせないのがこの2つの参考書です。

常に昨日の自分よりも速い自分を追い求めたい方には必須のバイブルとなるでしょう。

 

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