この記事は岩手県の「きたかみ夏油高原ヒルクライム」に初めて参加する方向けに、コースの詳細や大会の日程についてを詳しく掲載しています。
初めて走るコースはいろいろと不安が付きものです。
事前に何度か試走できればいいのですが、遠方からの参加ともなるとそれも難しいもの。
そんな方のために、きたかみ夏油(げとう)ヒルクライムのコース概要と攻略ポイントについて解説していきます。
目次
きたかみ夏油高原ヒルクライム
大会趣旨
北上市の豊かな自然を有する夏油高原において、県内外に広く夏油高原の魅力をアピールし、サイクルスポーツの普及・発展や豊かなスポーツライフの実現、またスポーツを通じて活力あふれる地域の実現を目指して大会を開催します。
初開催が平成23年のこの「きたかみ夏油高原ヒルクライム」。
2018年で実に8回目を迎えたこのレースも、参会者数は年々増え続けています。
2018年より運営の都合でタイムトライアル競技が行われなくなったとの事で、同年こそ参加者が前年割れの750名となってしてしまったようですが、募集人員が900名と岩手県内のヒルクライムーレースにおいては最大規模を誇ります。
大会開催地の北上市は人口約9万人、岩手県でも第5位の人口を誇る都市で、東北自動車道、秋田自動車道、東北新幹線などの物流ルートにも恵まれていて、多くの工業団地が隣接しているる県内でも重要な産業に重点を置いた中核都市でもあります。
しかしながら、市内中心部から少しでも離れると、風光明媚な数多くの自然に接することが出来ます。
内陸なので山がメインとなりますが、本ヒルクライムレースで使用されるゴール地点の夏油高原は、冬季シーズンは県内屈指の雪質を有するスキー場としても広く知られていて、夏冬を通じてスポーツ振興にも最も力を入れている都市とも言えます。
大会運営発表のコース情報
スタート(招集)地点
下のGoogleMapが会場周辺の地図です。
Pがパーキング、自転車マークがヒルクライムスタート地点です。
選手招集の際は、自転車マーク(マークから右側付近)に集まるとクラス別に誘導してくれます。
それぞれのマークをクリックすると詳細が出ます。
会場は北上市の岩崎城運動公園内。
敷地内には保育園と小学校が併設されています。
駐車場は第1・第2・第3と3箇所あり、各200~300台、合計700台を収容できます。
全参加者が一人1台の車で来場したとしても、全て賄えるだけの駐車場が確保されているのは有り難い。ですが、一人一台というのはちょっと有り得ないですよね。乗り合いで来る方も大勢います。
但し、注意したいのが、この3箇所の駐車場のうち舗装されていてアクセスが便利なのは第1(一番左側)だけです。
第2、第3は未舗装の土駐車場なので雨天時はクルマも足元も泥まみれになりますし、会場内を移動するのもけっこうな距離もあり一苦労です。
この第1駐車場は、レース前日の土曜日から車中泊組が陣取るので、当日の朝(AM4:30頃)どんなに早く会場に訪れても当日確保は相当難しいと思われます。
ここは潔く、”第二、第三駐車場の入り口付近にクルマを停められればベスト” と考えましょう。
追伸、会場内設備と環境ですが、トイレは相当古いですが一応あります。
仮設トイレも増設されるので、参加者も多いもののトイレに困る事は無いと思います。
ドリンクの自販機もあります。
しかし、コンビニは半径1.5km圏内にはありません。
車中泊を予定されている方は、当日の朝食までの食料などを買い込んで来る必要があります。
クルマだけ停めておいて、ロードバイクで買い出しに.....という方法もありますね。
近所のコンビニでは1.6km先(徒歩だと片道約20分)にローソンがあります。
コースMAP
北上市の岩崎城運動公園をスタートし、ゴールの夏油高原スキー場を目指します。
<コース概要>
全長:18.1km
最大標高差:561m
平均斜度:3.0%
岩崎城運動公園脇の県道からスタートし、序盤約6kmの平坦路を走行後、若干のアップダウンがある中間部の7km区間、後半6kmの山間部区間の3部構成です。
平均斜度が3.0%とヒルクライムレースとしては斜度が低いように思えますが、これは序盤6kmの平坦路と中間部セクションの勾配が殆ど無いためです。後半の山間部セクションは6~9%の勾配が約6km続きます。
しかしながら、一般的なヒルクライムレースに比べると純粋な上りセクションは6kmしか無いので、比較的楽なコースと言えるかも知れません。
岩手県内のレースで言うところのおおつち新山ヒルクライムに比べると、コース事体はおおつちのほうがキツいです。
きたかみ夏油高原ヒルクライムを制する
コースの標高は下記のグラフの通りです。
下記の高度表はGarmin Edge520jにて実走したデータですので信憑性は高いと思います。
幸いなのが、中間セクションで足休め的な平坦路やご褒美ダウンヒルもあること。
後に説明しますが、序盤セクションでは平坦路に見えても実際は2%の勾配が付いています。
全コースを序盤、中盤、終盤の3セクションに分割してみる
序盤セクション:田んぼ脇の平坦路(距離5.7km、平均勾配2.2%、最大標高差125m)
スタート地点も実は3%程度の勾配があります。
そして、何と!なんとご丁寧に ”ヒルクライムスタート地点”という立看板もあります”。
始めて試走に北上を訪れたときには感動すら覚えました。
なので、初めて試走する方はMAPの他にこの立看板を探すと正確なスタート位置が把握出来ると思います。
いわさき小学校体育館の裏側を目印に探してみてください。
この勾配区間がスタート直後200mほど続き、田んぼ脇の平坦路へと続きます。
田んぼの平坦路ですが、先程から平坦路とは言っていますが実は2%程度の勾配があります。
エキスパートクラスや各クラスのトップ集団は、この序盤の平坦路で時速35km/h~40km/hの速度域でスプリント状態でのレース展開が行われます。
2%勾配ですから初心者では30km/h以上出すのもしんどいかと思います。もちろん、風の影響も否めません。
ここでトップ集団に喰らいついていけなければ表彰台は厳しいものと思われます。
事実、後半セクションはそれなりに勾配が付くので、後半で追いつく脚は殆ど期待出来ないと考えます。
相手のスリップを上手く利用して極力体力を温存したいものです。
しかし、集団から離されてスリップが使えなければ一人旅となり余計に風を受けてしまうので、体力の消耗は必須です。
中盤セクション:山岳手前の入畑ダム周辺(距離7.3km、平均勾配2.2%,最大標高差167m)
このセクションは右折左折の方角変更が2箇所ほど発生します。
もちろん、コース上でスタッフさんが誘導してくれますので心配は必要ありませんが、一人旅状態でぼーっとしているとコースアウトの恐れもあるので注意が必要です。
特筆すべき特徴はないのですが、若干の上り下りがあるので平坦な区間ではありません。
周りを木々で覆われている区間もあるので、晴天時は良い直射日光除けにもなると思います。
中盤セクションの後半は入畑ダム周辺を通るコースとなり、一気に視界が開ける絶好のローケーションとなります。
この辺りの景色を観ることで、「あぁ、夏油を走っているんだなぁ~」という実感が湧いてきます。
レース中の緊張を若干ながらほぐしてくれる、個人的には大好きな区間でもあります。
後半セクション:山岳セクション(距離5.5km、平均勾配5.1%、最大標高差285m)
後半の山岳セクションは平均勾配5.1%のヒルクライム区間が約5.5km続きます。
勾配も5.1%なのでそれほどキツくないのですが、キツくない勾配故にクライム区間のスピードレンジが落ちる事も少ないので、周囲のペースに合わせて速度を維持するほうがしんどいような気もします。
それこそ勾配が10%以上も付くと速度も10km/h近くまで落ちるでしょうけれど、トップ選手は終始20km/h以上で走られているようですので、ゆるい勾配故に心臓破りの坂になることは言うまでもありません。
なんと言ってもヒルクライムレースですからね。
レース前にコースの試走をする前の注意点ですが、夏油高原は基本的に冬のスキーシーズンが最盛期のため、夏の期間はゴール付近の施設駐車場から約1km手前までしか走ることが出来ません。
お手持ちのサイコンやスマホアプリを使って、レースのためにコースデータを記録したい方も居るかも知れませんが、レース前はゴール手前1km付近までしか試走出来ないのでご注意下さい。
しかし.....Garminユーザー必見!夏油のフルコースデータをDL出来る!!
私のサイコンはGarminを使っていますので、GarminユーザーさんであればGarminConnectを使用してお持ちのGarmin端末にコースデータをダウンロード出来ると思いますので、宜しければ活用して下さい。
下記にリンクを貼っておきます。
Garmin Connect「きたかみ夏油HC」コースデータ
皆様のお役に立てられれば幸いです。
宿泊施設と会場移動について
JR北上駅を中心とする北上市街地からレース会場の岩崎城運動公園までは約8km程度です。
北上市は岩手県内でも有数の繁華街を有している人口10万人都市ですので、宿泊施設もビジネスホテルから温泉旅館に至るまで豊富です。
宿泊施設選びで困る事はほぼ無いと思います。
ビジネスホテルは中心地に点在しているので、会場までも約10分で行ける距離です。
当日朝の移動もラクラクです(但し、クルマの場合)。
夏油のレースは招集も午前7:00と早いので、公共の交通機関での移動は考えないほうがいいです。
強いて言えばタクシーでしょうか?。
県外からマイカー以外で参加の場合は、レンタカー利用を考えたほうが良いかも知れません。
レース当日の動き
きたかみ夏油高原ヒルクライムは、例年7月の上旬の日曜日に開催されます。
因みに、2018年は7月8日(日)の開催でした。
前日の土曜日の午後からも受付けており、会場はいわさき小学校体育館(岩崎城運動公園敷地内)で行われます。
当日申し込みは朝5:30~6:30まで、会場は上記に同じです。
当日申し込みでも特に混みあうことはありませんでした(2018年は....)。
選手招集はAM7:00。
招集が若干早いように思いますが、それなりに交通量のある一般道を閉鎖する区間もあるので、そのための配慮だと思います。
開会式ののち、ヒルクライム開始はAM7:30から。
競技終了はAM10:00頃。
10:00を過ぎると下山予定となります。
表彰式、閉会式はAM10:30から受付会場と同じいわさき小学校体育館です。
昼食その他特典
レースが終わって会場に戻ると昼食のお振る舞いがあります。
2018年はカレーライスそして、ロードバイクレースには定番?のきゅうりの浅漬けでした。
このきゅうりの浅漬けが意外とボリューミーで、食べるのに結構な時間が掛かりました.....笑。
カレーライスも美味しかったですよ!。
そして、夏油ならではの特典として、市内の温泉で使える無料に入浴券が発行されますので、帰り道時間のある方は温泉に浸かってレースの疲れを取るのも良いかも知れませんね。
記録証
記録証.....大会によっては完走証明書とも呼びますが、この記録証は後日自宅に送られてきます。
大会によっては当日発行するところもありますが、夏油の場合は参加人数が多いので後日対応になるのでしょうか?。
自宅で気長に待ちましょう。
でも、2~3日で送られてきたような.....(うろ覚えです、すみません)。
北上夏油ヒルクライムの注意点
以下、注意点をいくつか書きたいと思います。
梅雨時期開催のレースです
7月の上旬開催のレースです。
東北(北部)の7月上旬は100%梅雨明けしていません。
過去の直近のレースを見てみても、雨天コンディションのレースが多いようです。
因みに、2018年は雨と濃霧という最悪のコンディションでした。
レース中はともかく、下山時は雨具やウィンドブレーカーの準備をお忘れなく。荷物は受付時に預けられますが、頂上で必ず受け取り自分で持ち帰らなければなりません。
気温の目安は15℃~25℃程度。一応、当日の天気予報もチェックしてください。
因みに、2018年のレース中の気温は、最低が13℃、最高が17℃でした。しかし、梅雨時期で湿度もありましたので、それほど寒いという印象ではなくで、やはり蒸し暑い感じがしました。
サイクルジャージ
サイクルジャージは念のため、長袖・半袖バージョンをそれぞれ用意することをおすすめします。
当日の天気により、柔軟に対応できるようにする備えは必要と思います。
上は長袖、下は短パンなど、臨機応変に対応出来るような、出来れば同一柄で揃えられれば尚良いと思います。
山の上は麓に比べてそれなりに気温差があります。
因みに、2018年は半袖短パンの方も結構居ました。
サポートカー
サポートカーも付きます。
トラブル等でコース上に留まっていると、スタッフの方々が積極的に声を掛けてくれます。
下山時、私は知り合いを待つために途中のパーキングで停まっていたにも関わらず、わざわざ声を掛けてくれました。
この辺はさすが夏油という感じですね。
スタッフの方は、皆さんとても親切です。
最後に.....開会式で気になったことが。
2018年のレースの開会式での一幕。
主催者からの注意事項として、
「昨年のレースでボランティアスタッフに暴言を吐いた方が居る」
という話がありました。
「そのような方を見受けた場合、今年は失格とする場合もあります.....」
と。
え、スタッフさんに暴言を吐くですと!?。
まさか、そんな人が大会に出場しているとは......。
同じサイクリストとしてひじょ~にお恥ずかしい限りです!!!。
我々選手はエントリー料こそ払ってレースに出場するわけですが、自分の趣味で、自分の意志でお金を払って大会に出させてもらっている訳です。
ボランティアスタッフの方々は、無償でしかも、大切な日曜日の休みを返上してまで大会の為にお手伝いをしてくれているのです。
そんな方々に、どうして暴言など吐けるのか!?。
気が知れません。
そんな奴はロードレースに出なくていい!
自宅でローラーにでも乗ってればいいさ!
と思えてしまいます。
開会式でそんな注意事項があったので、今年(2018年)はそんな問題は無かったようで安心しました。
そんな人が増えてしまうと、主催者の判断で来年以降レースが開催されなくなるやも知れないのです。
困るのは自分(私)たちです。
この問題は、サイクリスト全体も問題として捉えるべきです。
と感じました。
ボランティアスタッフの皆様のお陰で、我々はレースに出場することが出来るのです。
むしろ敬意を払ってもらいたいものです。
まとめ
北上夏油高原ヒルクライムレースについての概要をまとめてみました。
大会HPでもいろいろと説明はありますが、今回記事ではHPで説明しきれない部分を拾い上げて記事にしてみました。
大会HPのリンクも貼っておきます。
⇒北上夏油高原ヒルクライム大会HPはこちら
皆様のお役に立てられれば幸いです。
それでは。