目次
ロードバイクのコンポーネントとは?
今日はロードバイク乗りにとっては切っても切れない存在、コンポーネントについてのお話をさせて頂きたいと思います。
コンポーネントとは、ロードバイクの駆動、制動、変速機構を持つ機器類の総称として用いられるグループ名称です。
具体的には、
- フロント・リヤディレーラー
- STIレバー
- フロント・リヤブレーキ
- クランク
- リヤカセットスプロケット
- チェーン
- ボトムブラケット
- チェーン
以上のパーツで構成されます。
注意して頂きたいのが、ロードバイク用コンポとMTB・クロスバイク用コンポーネントは全くの別物となります。今回はロードバイク用のコンポという事でお話を進めさせて頂きます。
シマノの歴史
シマノ【株式会社シマノ】は、大阪府に本社を置く自転車コンポーネントをはじめとする各種部品、釣具を製造する企業です。
スポーツバイクのコンポーネントにおいての世界シェアは、実に85%以上とも言われています。
我らが誇る正真正銘の日本企業であり、そして世界に誇るべきジャパニーズクォリティー。
その製品のクォリティーは既にツール・ド・フランスにおいても証明されていて、ツールに機材を提供している各国のロードバイクトップブランドも完成車のコンポーネントは、こぞってシマノを採用している事からも信頼の証が証明されています。
シマノの歴史を見てみます。
--SHIMANOの歴史--
創業は1921年、創業者の島野庄三郎が大阪府堺市にて鉄工所を創業。
たった1台の工作機械で後輪用の1枚ギアの製造から創業がスタートした。
堺市は明治時代までは包丁や鉄砲などの製造を請け負う工場でひしめき合っていたが、明治時代に入ると自転車の部品の製造に乗り出す。
1921年にフリーホイールの生産に成功した島野庄三郎は、1939年に事業を大きく展開し日本最大のフリーホイールメーカーとなっていった。
ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイクなどのいわゆる”スポーツバイク”のコンポーネント供給においては世界最大のシェアと規模を誇る。
2013年現在においては、自転車業界唯一の東証一部上場企業である。
※一部ウィキペディアより抜粋
Shimanoのコンポーネントグレード
現在シマノから販売されているロードバイクようコンポーネントは下記の通り。
- DURA-ACE(デュラエース)
- ULTEGRA(アルテグラ)
- 105(イチマルゴ)
- Tiagra(ティアグラ)
- SORA(ソラ)
- Claris(クラリス)
- TourneyA070(ターニーエーゼロナナゼロ)
コンポーネントのグレード一覧
グレード | 型番 | 備考 | 変速数(リア) |
---|---|---|---|
DURA-ACE | R9100 | 11速 | |
R9120 | 油圧ブレーキ | ||
R9150 | Di2 | ||
R9170 | Di2+油圧ブレーキ | ||
ULTEGRA | R8000 | ||
R8020 | 油圧ブレーキ | ||
R8050 | Di2 | ||
R8070 | Di2+油圧ブレーキ | ||
105 | R7000 | ||
Tiagra | 4700 | 10速 | |
SORA | R3000 | 9速 | |
Claris | R2000 | 2300の後継モデル | 8速 |
Tourney A070 | A070 | A050の後継モデル | 7速 |
DURA-ACE(デュラエース)
シマノが誇るロードバイク用コンポーネントの最高峰モデル。
名前の由来は、ジュラルミン(Duralumin)素材と Durabirity(デュラビリティー=耐久性)、さらに「世界で一番に」という思いを込めた「エース」に由来。
開発当時こそアルミ合金の一種であるジュラルミンを多様に使い、製品の軽量化が既に行われていたが、2008年以降からは新素材で軽量かつ強度に優れるカーボンも導入され、歴代モデルである7900系は更なる軽量化と剛性の向上、そして変速性能の向上が図られた。
現在の主流であるSTI(シマノトータルインテグレーション)をはじめとするデュアルコントロールレバーの開発と供給についても、全てはデュラエースの製品開発が主体となって進められた。その画期的な製品はヨーロッパをはじめとする世界中のプロ選手から熱い支持を受けて大ヒット商品となり、現在もさらなる進化が進んでいる。後にアルテグラ、105にもデュラーエースで培われたSTI技術が採用され、さらにユーザーからの支持を受けることになった。
デュラエースがコンポーネントの最高峰であると言われる所以は、常に最先端の技術と最高級の素材を惜しみなくつぎ込み、失敗しながらも常に世界でトップの製品に育て上げるというシマノの企業としての姿勢が製品に100%生かされてきたからであると推測します。
トップ0,1秒を争うツール選手たちの信頼と支持を勝ち取ってきたことからも、その事実は既に証明されています。
世界各地に自社工場を持つシマノですが、このデュラエースだけは日本国内の工場でしか生産しないさせないという徹底ぶり。まさに Made in Japan の称号が与えられるのは、全製品の中でもものデュラーエスだけなのです。
デュラエースのグループセットの値段が高いと思われた方も多いでしょう。高い理由は読んでお分かりの通りです。最先端の技術と最高級素材が使われれば製品自体は高額になるのは当たり前。
だからトップ選手や上級者じゃないと安易にデュラエースを選択できないという、ロードバイク界の暗黙のルールのようなものもあるような気がします。
私にはデュラエースを使用する資格も資金もありません....苦笑。
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ULTEGRA(アルテグラ)
現在のシマノのラインナップの中では、デュラエースに次ぐ2番めのモデルとなる。
当初はシマノ600というネーミングで、レースユースというよりはツーリング思考でありデュラエースの兼価版モデルとしての位置づけだったが、その後105を始めとする格下機種の登場とともに上級機種へとラインナップの路線が変貌していった。
デュラエースよりも比較的安価であり、耐久性や基本性能などはデュラエース譲りで設計されている。また、下位モデルの105を遥かに凌ぐ性能を有しているためプロの練習用機材での使用もされていて、その信頼性は折り紙付き。リアディレーラーに関しては、デュラエースにはないロングケージが採用されているので、ツールの山岳ステージなどで歯数の多いフロント、リアカセットスプロケットを選択した場合、アルテグラのロングケージ(リアディレーラー)が使用されることもあるほど。性能と信頼はデュラエースに同じくツールの場でも立証済み。
価格的にもデュラエースに比べてではワンランク下で安価なため、上級者はもとより中級者や初心者のステップアップとして好まれる傾向にある。それにしても105に比べるとグループセットは遥かに高額なため、フルアルテグラの完成車は多少なりとも初心者には敷居が高い。その点を踏まえると、やはり中級者向きと言える。
私のファーストバイクもフルアルテグラのバラ完で組んでいますが、セカンドバイクとなったクロモリバイクには一部のパーツ(クランクと前後ブレーキ)のみアルテグラを使用していました。このように105をべーすとして、拘りの部分のみアルテグラにするという選択肢もアリです。グループで購入すればさすがに10万円を超えてしまいますが要所要所で105では不満だと思われる部分のみアルテに交換するというのは中級者でもよく見られます。
105とアルテグラは性能・機能の部分で何気に混同されがちですが、これらは全くの別物と考えるべきです。現在アルテグラのR8000系と105のR7000系の双方を2台のバイクで使用している私が断言しますが、ランクも値段も違うというのは、まさに性能の差に確実に現れています。キャリパーブレーキについても105とアルテグラでは構造的には似通っていますが、山岳ダウンヒルでの効き具合とコントロール性はアルテグラのほうが2枚も上手です。キャリパーブレーキ1つで言っても、105からアルテに交換するだけでダウンヒルやストップアンドゴーの多い市街地などでの安心感が全く違います。
もしもアルテグラと105の性能が同等であるとするならば、シマノがわざわざ両者の格付けや差別化をしている意味さえ問わててしまうんですけどね。
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105(イチマルゴ)
デュラエース・アルテグラに続く、三番目のグレード。
ラインナップ的には初心者仕様のグレードかと思われがちではあるが、シマノ製品の中ではコストパフォーマンスと性能面でのバランスが優れており、上級者、中級者であっても練習用バイクでフル105を使っている人もいる。完成車では15~30万円クラスのバイクで主に使用される。この価格帯よりも低い10万円以下のロードバイクには、TiagraやSORAが使われるが、それらのバイクを購入したユーザーがTiagraとSORAの性能に納得せず、105で組み直すというのはロードバイクのあるあるネタとしてよく聞く話。それもバランスの取れた製品であり且つ安価で初心者にも手が届きやすいグループセットの価格設定は、一番シマノらしいと思わせる製品でもある。
私が初めてロードバイクを購入した1992年、当時のクロモリ完成車であったロードバイクに付いていたのが1050系の105でした。それから20年が経過しさすがにコンポはフル7000系に換装しましたが、普通にメンテしていれば20年でも使用出来るという信頼の証でもあります。これがシマノ品質です。105以下のランクのコンポーネントについては使用した事がないので個人的な見解は出来ませんが、105についての品質については文句の付けようがないジャパニーズシマノクォリティーであると断言できます。
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Tiagra(ティアグラ)
ロードバイク用コンポーネントで、デュラエース、アルテグラ、105に続く4番目のグレード。
モデルとしての歴史は1990年代にさかのぼり、当時はRX100という商品名であったが、その後の1994年のマイナーチェンジでSTIシステムを搭載し、リア9速化された4400系のティアグラがデビューすることとなった。バブル時代のロードバイク人気の火付け役ともなったティアグラは完成車価格でも15万円前後のモデルに採用されており、価格に見合わない安定した性能で、各国のロードバイクメーカーも安価なエントリーモデルにティアグラをチョイスする。
現在の4700系は上位機種と遜色のない10段変速を採用している。しかしながら、主な使用用途はツーリング向きであって、製品自体の重量もあるためレースなど厳しい場面での使用には不向き。
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(ソラ)
ロードバイク用コンポーネントの中ではデュラエース、アルテグラ、105、ティアグラに続く5番目のグレード。
クラリスの上位にあたり、完成車価格では10万円前後の初心者用エントリーモデルでの採用が多い。
2017年現在のボデル番号はR3000番台で、リア9速でラインナップに加わっている。
主な使用用途は、近場でのポタリングや通勤、通学などの場面が想定される。
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Claris(クラリス)
ロードバイク用コンポーネントで、デュラエース、アルテグラ、105、ティアグラ、ソラに続く6番目のグレードとなる。
上位機機種と同様に、デュアルコントロールレバーが搭載されるモデルは、このClaris(クラリス)までとなる。ロードバイク用コンポーネントの中では唯一、MTBの変速システムで採用されているフラットバーロード用のラピッドファイヤーシステムがラインナップに加わる。
残何ながら上位機種との互換性は低く、一部の部品を上位機種に交換したくても難しい。
完成車価格では10万円以下のモデルに採用される事が多い。
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TourneyA070(ターニーエーゼロナナゼロ)
シマノのロードバイク用コンポーネントのラインナップではもっとも低価格な入門向けコンポーネントとしても位置づけとなる。
ロードバイクというよりは5万円以下のシティーサイクルに用いられる事が多い。
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まとめ
たった1台の工作機械から後輪用のギアの製造から全てが始まった.....ロマンを感じます。
その1枚のギアに込めた創業者の想いが今日まで発展してきたシマノの企業理念に根強く残っているものと推測します。
今やコンポーネントはグループセットで販売されいる事が当たりまえとなりました。もちろん、フロントのディレーラーだけなどバラで購入する事も可能ですが、このグループセットでコンポーネントを販売するというスタイルを定着させたのもシマノが起源であるとされています。グループで販売することにより、購入者は各パーツの互換性などを気にすること無くセットで購入することで、ロードバイクの組み立てに余計な心配をする必要が無くなったと言います。今では当たり前の話ですけど、この当たり前を作ってきたシマノだからこそ、トップメーカーやユーザーからの信頼を勝ち取り今日に至ったのだと痛感します。
たしかに、カンパニョーロやSRAMなど、世界には素晴らしいライバルのコンポーネント製造会社も存在します。
個人的に軽量ホイールはカンパニョーロを使用していますが、コンポーネントは勿論シマノです。
日本国内でもカンパのコンポーネントを愛用されている方もいらっしゃいますが、個人的にはやはりジャパニーズブランドであるシマノを使い続ける事で、僅かながらであっても日本企業への貢献をしつつ今後も応援していきたいと思うところです。
それでは。